19章：Java Applet

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6. イメージ

　　Imageクラスはその名の通り画像に関するクラスです。このクラスは抽象クラスですのでインスタンスを作成することはできません。画像関連の機能はJavaクラスにも非常に多くの機能が含まれていますが、このサイトでは説明は省略します。ここではjpegなどの画像を表示する例を示します。

メソッド

int getWidth(ImageObserver observer)
　　　　Imageクラスが管理する画像の幅をピクセルで返します。
　　　　幅が定義されていない場合、まだ画像をロード中で幅がわからない時は-1が返されます。
　　　　ImageObserverはこのページの下で説明します。

int getHeight(ImageObserver observer)
　　　　Imageクラスが管理する画像の高さをピクセルで返します。
　　　　高さが定義されていない場合、まだ画像をロード中で高さがわからない時は-1が返されます。
　　　　ImageObserverはこのページの下で説明します。

Graphics getGraphics()
　　　　イメージに描画する際のGraphicsを返します。

Image getScaledInstance(int width, int height, int hints)
　　　　この画像をwidth(幅)、height(高さ)に縮小・拡大します。
　　　　hintsは縮小・拡大する場合のアルゴリズムを下記の中から指定します。
　　　　Image.SCALE_DEFAULT：デフォルトのアルゴリズム
　　　　Image.SCALE_FAST：速度優先
　　　　Image.SCALE_SMOOTH：画像のなめらかさ優先
　　　　ほか。。。

void flush()
　　　　画像を破棄し、リソースを解放します。

　　ImageObserverとは、Image情報に関する通知を受け取るためのインターフェースです。このインターフェースは Componentクラスが実装されています。したがって、ImageクラスのgetWidthなどのメソッドの引数にはComponentのサブクラスを渡します。

　　もう少し具体的に説明します。ここからの説明は読み飛ばして下のサンプルに行って頂いても構いません。

　　Javaはネットワークで使われることを前提に立って作られていますので、画像もネットワークで送られてくる可能性があることを考慮しています。ネットワークから画像を取得する場合は時間がかかるという前提で作られています。つまり、getImageメソッドを呼んだ場合、画像が読み込まれるのを待っていては、いつになるかわからないのですぐに処理が戻ってきます。drawImageメソッドなどで実際に画像が必要になった時にJavaの中で自動でスレッドが作られ、そのスレッドが画像を読み込みます。ですからdrawImageも画像がまだネットワークからダウンロード中でもすぐに戻ってきます。そしてダウンロードが進むに連れて別に作られたスレッドが描画を行っていきます。

　　ImageObserverインターフェースはその画像の読み込み具合を監視するインターフェースです。drawImageメソッドなどが呼ばれると、新しくスレッドが起動し、ことあることにImageObserverインターフェースの唯一のメソッドimageUpdateが呼ばれます。ComponentではimageUpdateが呼ばれると、それに応じて描画したりと必要な処理を行うのです。

メソッド

boolean imageUpdate(Image image, int flag, int x, int y, int width, int height)
　　　　画像の読み込み状態が更新されるごとに呼ばれます。
　　　　引数x, y, width, heightはflagの内容によって代わります。
　　　　さらに読み込みが必要な場合はtrueを、必要な情報はこれ以上ない場合にはfalseを返すように実装します。
　　　　flag:ImageObserver.WIDTH：画像の幅が得られた場合
　　　　flag:ImageObserver.HEIGHT：画像の高さが得られた場合
　　　　flag:ImageObserver.PROPERTIES：画像の情報が得られた場合
　　　　flag:ImageObserver.ERROR：画像の読み込み中にエラーが発生した場合
　　　　flag:ImageObserver.ABORT：画像の読み込みを中止した場合
　　　　flag:ImageObserver.SOMEBITS：画像の一部が読み込まれた場合
　　　　flag:ImageObserver.FRAMEBITS：画像のフレームが読み込まれた場合（例えばgifアニメの１フレームなど）
　　　　flag:ImageObserver.ALLBITS：画像のすべてが読み込まれた場合

import java.applet.*; import java.awt.*; import java.awt.event.*; /* <applet code="Test" width=280 height=280> </applet> */ public class Test extends Applet implements ComponentListener{ Image imgSource; /* 元画像 */ Image imgScaled; /* アプレットの大きさにリサイズした画像 */ public void init(){ /* 画像読み込み */ imgSource = getImage(getDocumentBase(), "a.jpg"); /* サイズが変更された時に呼ばれるリスナーを登録 */ addComponentListener(this); /* 画像の助ーリングを行わせる */ componentResized(null); } /* 画像表示 */ public void paint(Graphics g){ if( imgScaled != null ) g.drawImage(imgScaled, 0, 0, this); } /* アプレットのサイズが変わった時に呼ばれる。*/ /* 最初の１回だけはinitメソッドから明示的に呼んでいる */ public void componentResized(ComponentEvent e){ Dimension dim = getSize(); if( imgSource != null) /* サイズを変更した画像を作成する */ imgScaled = imgSource.getScaledInstance(dim.width, dim.height, Image.SCALE_SMOOTH); } public void componentMoved(ComponentEvent e){} public void componentShown(ComponentEvent e){} public void componentHidden(ComponentEvent e){} }
JavaAppletが有効だとここに上記のプログラム実施例が表示されます。

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