18章：AWT

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22. ScrollbarとAdjustmentListener

　　スクロールバーとはその名の通り、スクロールバーです。(^^ゞ　テキストエリアで行数が多くなり、表示しきれなくなった場合に右側について、その表示範囲を選択できるGUIです。スライダー(Javaではバブルと呼ぶ)を上下（場合によっては左右）にマウスドラッグで動かせるほか、上端、下端（場合によって左端、右端）の矢印ボタンで少しずつ動かすことも可能です。

　　もう少しプログラマー的に表記すると、int型の最小値、最大値で定義された範囲内で、GUI的にその数値を選択するためのコンポーネントと言うことになります。

　　スクロールバーではいくつか設定値が出てきますので、それを説明します。

最小値文字通り最小値です。バブルが一番左（一番上）に来た時の値です。

最大値文字通り最大値です。バブルが一番右（一番下）に来た時は【最大値－バブル幅】になります。

バブル幅バブルの幅です。【バブル幅÷（最大値－最小値）×コンポーネントサイズ（バーの幅）】が実際のサイズになります。

ユニット増減スクロールバーの左右（上下）にある矢印をクリックした時の増減値です。デフォルトは１です。

ブロック増減スクロールバーの左右（上下）にある矢印とバブルの間の部分をクリックした時の増減値です。デフォルトは10です。

【使い方】

Scrollbarのインスタンスを作成します。
このインスタンスを配置するFrameなどContainerに追加(addメソッド)する。
必要によってAdjustmentListener(addAdjustmentListenerメソッド)を追加します。
上記リスナーを登録した場合は、必要なメソッドを実装します。

コンストラクタ

Scrollbar()
　　　　　　垂直方向（縦の）スクロールバーを作成します。
　　　　　　この場合、最小値0、最大値100、初期値0、バブルサイズ10、ユニット増減1、ブロック増減10です。

Scrollbar(int orient)
　　　　　　orientにScrollbar.HORIZONTALを指定すると水平方向（左右）、Scrollbar.VERTICALを指定すると垂直方向（上下）のスクロールバーを作成します。
　　　　　　最小値0、最大値100、初期値0、バブルサイズ10、ユニット増減1、ブロック増減10です。
　　　　　　orientに不正な値を設定するとIllegalArgumentExceptionが投げられます。

Scrollbar(int orient, int value, int width, int min, int max)
　　　　　　orientにScrollbar.HORIZONTALを指定すると水平方向（左右）、Scrollbar.VERTICALを指定すると垂直方向（上下）のスクロールバーを作成します。
　　　　　　最小値min、最大値max、初期値value、バブルサイズwidth、ユニット増減1、ブロック増減10です。
　　　　　　orientに不正な値を設定するとIllegalArgumentExceptionが投げられます。
　　　　　　valueが最小値、最大値外になった場合は、最小値あるいは最大値が設定されます。
　　　　　　最小値、最大値、初期値は負数を受け付けます。
　　　　　　最小値＞最大値が設定された場合、最大値は最小値＋１になります。
　　　　　　widthが負数もしくは０の時は１になります。

メソッド

void addAdjustmentListener(AdjustmentListener al)
　　　　AdjustmentEventを受け取るAdjustmentListenerを登録します。

void removeAdjustmentListener(AdjustmentListener al)
　　　　AdjustmentListenerを削除します。

int getValue()
　　　　現在値を返します。

int getVisibleAmount()
　　　　バブルの幅を返します。

int getMaximum()
　　　　最大値を返します。

int getMinimum()
　　　　最小値を返します。

int getBlockIncrement()
　　　　ブロック増減値を返します。

int getUnitIncrement()
　　　　ユニット増減値を返します。

void setValue(int value)
　　　　現在値をvalueに設定します。

void setVisibleAmount(int width)
　　　　バブルの幅をwidthに設定します。

void setMaximum(int max)
　　　　最大値をmaxに設定します。

void setMinimum(int min)
　　　　最小値をminに設定します。

void setBlockIncrement(int value)
　　　　ブロック増減値をvalueに設定します。

void setUnitIncrement(int value)
　　　　ユニット増減値をvalueに設定します。

void setOrientation(int orient)
　　　　orientがScrollbar.HORIZONTALならば水平方向（左右）のスクロールバー
　　　　orientがScrollbar.VERTICALならば垂直方向（上下）のスクロールバーに設定します。

　　また、AdjustmentListenerインターフェースは、下記のメソッドを実装する必要があります。

メソッド

void adjustmentValueChanged(AdjustmentEvent e)
　　　　調整値が変更されると呼ばれます。

　　以下、例を示します。スクロールバーとテキストエリアを用意し、スクロールバーの値が変更されたらその内容をテキストエリアに書き加えます。

import java.awt.*; import java.awt.event.*; public class Test18_22 implements AdjustmentListener{ Scrollbar bar; TextArea 　textArea; public Test18_22(){ /* フレームを作成します。*/ Container frm = new Frame(); frm.setSize(new Dimension(450,350)); /* レイアウトを設定します。*/ frm .setLayout(new BorderLayout()); /* コンポーネントを作ります。*/ bar = new Scrollbar(Scrollbar.HORIZONTAL, 0, 10, 0, 1000); textArea = new TextArea(25,10); /* リスナーを登録します。*/ bar.addAdjustmentListener(this); /* フレームに登録します。*/ frm.add(bar , BorderLayout.NORTH); frm.add(textArea , BorderLayout.CENTER); /* フレームを表示させます。*/ frm.setVisible(true); textArea.insert(bar.toString(),0); } /* TextFieldでリターンキーが押されたら次にフォーカスを与える */ public void adjustmentValueChanged(AdjustmentEvent e){ textArea.insert(e + "\n" ,0); } public static void main(String args[]){ new Test18_22(); } }
JavaAppletが有効だとここに上記のプログラム実施例が表示されます

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