18章：AWT

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トップ-> Java入門：18章 AWT-> 33.イベント　その２

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33. イベント　その２

　　これまでComponentに対して何かしらのイベントが発生するとEventObjectのサブクラスが作られてリスナーのメソッドが呼ばれると言うことは説明したとおりです(こちら)。これまでEventObjectのgetSource()メソッドを使えば、どのComponentでイベントが発生したのかも調べることができることも説明しました。

　　Buttonが押されたかどうかはActionEventが発生しますが、このようにButtonが押された程度のイベントであれば、それがどのボタンなのかgetSource()で調べれば事足ります。しかし、例えばAdjustmentEventでは、いくつの値になったのか直接知ることができれば便利です。実はEventObjectのサブクラスでは、どのようなイベントなのかを持っています。AdjustmentEventでは実際にいくつの値になったのかは、そのイベント発生源のScrollbarのgetValue()メソッドを用いずとも、AdjustmentEventのgetValue()メソッドを使用できますし、他のAdjustmentEventのサブクラスも、固有の値やメソッドを実装しており、どのようなイベントなのかを知ることができるのです。

　　このページでは今までに出てきたイベントについて解説します。

ActionEvent

　　まずは、ActionEventです。これは Buttonを押した場合（実際には押して離した時）、Listをダブルクリックした場合などに呼ばれます。ActionListenerも参照してください。

フィールド

static int ALT_MASK
　　　　getModifiers()メソッドで使用される定数です。
　　　　このアクションが起きた時にALTキーが押されていた場合、getModifiers()メソッドの返値にこれが返ります。

static int CTRL_MASK
　　　　getModifiers()メソッドで使用される定数です。
　　　　このアクションが起きた時にCTRLキーが押されていた場合、getModifiers()メソッドの返値にこれが返ります。

static int META_MASK
　　　　getModifiers()メソッドで使用される定数です。
　　　　このアクションが起きた時にMETAキー(主にUNIX)が押されていた場合、getModifiers()メソッドの返値にこれが返ります。

static int SHIFT_MASK
　　　　getModifiers()メソッドで使用される定数です。
　　　　このアクションが起きた時にSHIFTキーが押されていた場合、getModifiers()メソッドの返値にこれが返ります。

メソッド

int getModifiers()
　　　　このアクションイベントが発生した時に押されていた修飾キーを返します。
　　　　戻り値は上述のフィールドで定義された定数です。
　　　　例えばCTRLとSHIFTの二つが押された場合は[CTRL_MASK | SHIFT_MASK](２つの論理和)が返されます。したがって「SHIFTキーが押されていたら」という処理をする時に、if( getModifiers() == SHIFT_MASK )とするとCTRL+SHIFTはif文の中に入らないなど意図しない動きになる場合があります。

String getActionCommand()
　　　　このアクションに関連したコマンドを文字列で返します。

　　アクションコマンドとは、例えばボタンが押された時の動作を識別するための文字列です。ボタンを押すたびに動作を変えたいような場合など、実際にどのような動作をすればよいのかを識別するための文字列を入れておきます。
　　例えば２つのボタンbtnBefore, btnNextを用意し、ラベルは「前へ」「次へ」であり、ボタンを押すたびに次の画像または前の画像を表示するようなアプリケーションを作ろうとした場合、ラベルは常に「前へ」「次へ」としておきますが、btnNextのアクションコマンドを「show02piture」にしておきます。そしてbtnNextが押されたらactionPerformedメソッド内で、if( getActionCommand().equals("show02piture") )で判断し、btnNextのアクションコマンドを「show03picture」に、btnBeforeのアクションコマンドを「show01picture」にします。
　　このようにすることで、どのボタンが押されたかで判断するのではなく、アクションコマンドで処理内容を決めることができるようになります。

ItemEvent

　　ItemEventは Checkbox、Choice、Listで、選択されたり選択解除されたりする時に発生するイベントです。ItemListenerも参照してください。

フィールド

static int DESELECTED
　　　　getStateChange()メソッドで使用される定数です。
　　　　選択が解除された時に発生したイベントの場合にこれが返されます。

static int SELECTED
　　　　getStateChange()メソッドで使用される定数です。
　　　　項目が選択された時に発生したイベントの場合にこれが返されます。

メソッド

Object getItem()
　　　　イベントによって影響の受けた項目を返します。

ItemSelectable getItemSelectable()
　　　　イベントの発生元を返します。getSource()と同じです。

int getStateChange()
　　　　イベントのタイプをDESELECTED(選択解除)かSELECTED(選択)かで返します。

AdjustmentEvent

　　AdjustmentEventは Scrollbarで発生するイベントです。AdjustmentListenerも参照してください。

フィールド

static int BLOCK_DECREMENT
　　　　getAdjustmentType()メソッドで使用される定数です。
　　　　バブルの左（もしくは上）の部分をクリックした場合です。

static int BLOCK_INCREMENT
　　　　getAdjustmentType()メソッドで使用される定数です。
　　　　バブルの右（もしくは下）の部分をクリックした場合です。

static int UNIT_DECREMENT
　　　　getAdjustmentType()メソッドで使用される定数です。
　　　　スクロールバー左端（もしくは上端）の矢印をクリックした場合です。

static int UNIT_INCREMENT
　　　　getAdjustmentType()メソッドで使用される定数です。
　　　　スクロールバー右端（もしくは下端）の矢印をクリックした場合です。

static int TRACK
　　　　getAdjustmentType()メソッドで使用される定数です。
　　　　スクロールバーのバブルをドラッグした場合です。

メソッド

Adjustable getAdjustable()
　　　　イベントの発生元を返します。getSource()と同じです。

int getValue()
　　　　現在の値を返します。

int getAdjustmentType()
　　　　値が変更されたイベントの原因となった調整のタイプを返します。
　　　　上で紹介したフィールドのBLOCK_DECREMENT、BLOCK_INCREMENT、UNIT_DECREMENT、UNIT_INCREMENT、TRACKのいずれかが返されます。

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