18章：AWT

トップ->Java Applet入門

Java入門内検索

このページの先頭に戻る

トップページに戻る

このページの先頭に戻る
 トップページに戻る

トップ-> Java入門：18章 AWT-> 44.WindowとDialog、FileDialog

前ページへ　:　トップへ　:　次ページへ

44. WindowとDialog、FileDialog

　　DialogはContainerクラスのサブクラスのWindowクラスのサブクラスに当たります。FrameクラスもWindowクラスのサブクラスですので兄弟という感じです。Frameはソフトの大元のウインドウであり、「フレームが閉じられる≒ソフトが終了する」という感じですが、ダイアログはいずれ閉じられることが前提となっているのが大きく違うところです。また後述するメニューが使用できるかという違いもあります。

　　一般にダイアログが表示されるとその元となるフレーム（ウインドウ）の操作ができなくなる場合が多いです。これをモーダルダイアログと言います。一方、ダイアログが表示されても元のフレーム（ウインドウ）の操作をすることができるダイアログをモードレスダイアログと言います。

　　ダイアログを作るためには、

Dialogのサブクラスを作る。コンストラクタではDialogクラスのコンストラクタを呼ぶ。
コンストラクタでボタンなどの各コンポーネントを作成する。
同じくコンストラクタ内でレイアウトを作成し、上で作ったコンポーネントを追加する。
各コンポーネントにリスナーを登録する。
packメソッドもしくはsetSizeメソッドを読んでサイズを決める。
終了する場合はdisposeメソッドを呼ぶ

　　ダイアログを呼び出す方は

上で作ったDialogのサブクラスのインスタンスを作る。
setVisibleメソッドを使って表示させる。

　　Dialogを表示する場所はプラットフォームなどによって変わる場合がありますが、基本的に画面の左上か親フレームと同じ位置になり、見にくくなります。この場合は、ComponentクラスのgetLocationOnScreenメソッドとsetLocationメソッドを用いて画面中央あたりに表示させるようにしたり、setLocationメソッドを用いて親フレームから少しずらした方がよいでしょう。
　　また、モードレスダイアログなど、複数のダイアログが表示されるような場合も、重ならないように配慮するべきでしょう。

　　まずDialogやFrameの基底クラスであるWindowクラスのメソッドを紹介します。

　　それではDialogの紹介をします。
Dialog
コンストラクタ

Dialog(Frame owner)
　　　　　　このダイアログの所有者をownerとしてモードレスダイアログを作成します。
　　　　　　ownerが不正な場合はIllegalArgumentExceptionが投げられます。

Dialog(Frame owner, boolean modal)
　　　　　　このダイアログの所有者をownerとしてモードレスダイアログを作成します。
　　　　　　modalがtrueの場合はモーダルダイアログとなります。
　　　　　　ownerが不正な場合はIllegalArgumentExceptionが投げられます。

Dialog(Frame owner, String title)
　　　　　　このダイアログの所有者をownerとしてモードレスダイアログを作成します。
　　　　　　titleはダイアログのタイトルとなります。
　　　　　　ownerが不正な場合はIllegalArgumentExceptionが投げられます。
　　　　　　titleがnullでも例外は投げられません。

Dialog(Frame owner, String title, boolean modal)
　　　　　　このダイアログの所有者をownerとしてモードレスダイアログを作成します。
　　　　　　modalがtrueの場合はモーダルダイアログとなります。
　　　　　　titleはダイアログのタイトルとなります。
　　　　　　ownerが不正な場合はIllegalArgumentExceptionが投げられます。
　　　　　　titleがnullでも例外は投げられません。

メソッド

boolean isModal()
　　　　モーダルダイアログならtrueが返されます。

void setModal(boolean modal)
　　　　モーダルダイアログがモードレスダイアログかを設定します。trueならばモーダルダイアログです。

String getTitle()
　　　　ダイアログのタイトルを返します。

void setTitle(String title)
　　　　ダイアログのタイトルをセットします。

boolean isResizable()
　　　　ユーザーがダイアログのサイズを変更できるならばtrueが返されます。

boolean setResizable(boolean resize)
　　　　ユーザーがダイアログのサイズを変更できるかをセットします。
　　　　resizeがtrueならばリサイズ可能にします。

　　それでは簡単な例を示します。

import java.awt.*; import java.awt.event.*; public class Test implements ActionListener{ Button btn; Frame frm; Dialog d; public Test(){ /* フレームを作成します。*/ frm = new Frame(); frm.setSize(new Dimension(100,100)); /* レイアウトを設定します。*/ frm .setLayout(new BorderLayout()); /* コンポーネントを作ります。*/ btn = new Button("Message"); /* リスナーを登録します。*/ btn.addActionListener(this); /* フレームに登録します。*/ frm.add(btn , BorderLayout.CENTER); /* フレームを表示させます。*/ frm.setVisible(true); } /* ボタンがクリックされた */ public void actionPerformed(ActionEvent e){ /* まだダイアログのインスタンスが作られていなければここで作る */ /* TestクラスのコンストラクタではまだFrameが完全に作られていないので、*/ /* TestクラスのコンストラクタでDialogのインスタンスを作成できない */ if(d == null) d = new MyDialog(frm); /* ダイアログを表示させる */ d.show(); } public static void main(String args[]){ new Test(); } } /* ダイアログ */ class MyDialog extends Dialog implements ActionListener{ Button btn; Label lbl; /* コンストラクタ */ MyDialog(Frame w){ /* Dialogクラスのコンストラクタを呼ぶ */ super(w); /* 追加するコンポーネントを指定 */ btn = new Button("Close"); lbl = new Label("Mssaege"); /* レイアウトを登録 */ setLayout(new GridLayout(2,1)); /* コンポーネントを追加する */ add(lbl); add(btn); /* ボタンのリスナーを登録する */ btn.addActionListener(this); /* ダイアログのサイズを自動で設定する */ pack(); } /* ボタンが押されたら呼ばれる */ public void actionPerformed(ActionEvent e){ /* ダイアログを破棄する */ dispose(); } }
実行例

　　次にFileDialogを説明します。FileDialogはDialogクラスのサブクラスで、ファイルを選択する際に使用します。
　　読み込みモード、描き込みモードがあり、描き込みモードの場合、ファイルがすでに存在するファイルが選択された場合は上書きするかの確認が行われます。

コンストラクタ

FileDialog(Frame owner)
　　　　　　このダイアログの所有者をownerとしてファイル選択用のモーダルダイアログを作成します。
　　　　　　ownerが不正な場合はIllegalArgumentExceptionが投げられます。

FileDialog(Frame owner, String title)
　　　　　　このダイアログの所有者をownerとしてファイル選択用のモーダルダイアログを作成します。
　　　　　　titleはダイアログのタイトルとなります。
　　　　　　ownerが不正な場合はIllegalArgumentExceptionが投げられます。
　　　　　　titleがnullでも例外は投げられません。

FileDialog(Frame owner, String title, int mode)
　　　　　　このダイアログの所有者をownerとしてファイル選択用のモーダルダイアログを作成します。
　　　　　　titleはダイアログのタイトルとなります。
　　　　　　modeはFileDialog.LOAD（読み込み用）かFileDialog.SAVE（描き込み用）を選択します。　　　　　　ownerあるいはmodeが不正な場合はIllegalArgumentExceptionが投げられます。
　　　　　　titleがnullでも例外は投げられません。

メソッド

int getMode()
　　　　FileDialog.LOAD（読み込み用）かFileDialog.SAVE（描き込み用）を返します。

void setMode(int mode)
　　　　FileDialog.LOAD（読み込み用）かFileDialog.SAVE（描き込み用）を設定します。
　　　　modeが不正な場合はIllegalArgumentExceptionが投げられます。

String getDirectory()
　　　　選択されたファイルのディレクトリ名が返されます。
　　　　ファイルが選択されていない時はsetDirectoryで指定した文字列が返されます。
　　　　この時setDirectoryで指定されたディレクトリがなくてもこの文字列が返されます。
　　　　ファイルが選択されておらず、setDirectoryが呼ばれていない場合はnullが返されます。

void setDirectory(String dir)
　　　　指定されたディレクトリのファイルを表示させます。
　　　　指定されたディレクトリがない場合はカレントディレクトリを表示させます。

String getFiley()
　　　　選択されたファイル名が返されます。ディレクトリ名は含まれません。
　　　　ファイルが選択されていない時はnullが返されます。

void setDirectory(String file)
　　　　デフォルトファイルを指定します。

前ページへ　:　トップへ　:　次ページへ