18章：AWT

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21. TextArea

　　テキストエリアは複数行のテキストを扱うGUIコンポーネントです。

例）ここに感想を記入してください。

【使い方】

TextAreaのインスタンスを作成します。
このインスタンスを配置するFrameなどContainerに追加(addメソッド)する。
必要によってKeyListener(addKeyListenerメソッド)、TextListener(addTextListenerメソッド)を追加します。
上記リスナーを登録した場合は、必要なメソッドを実装します。

コンストラクタ

TextArea()
　　　　　　空のテキストエリアを作ります。
　　　　　　自動でスクロールバーが表示されます。

TextArea(int rows, int columns)
　　　　　　表示行数rows、表示桁数columnsで空のテキストエリアを作成します。
　　　　　　表示桁数はプラットフォームによって左右されるため誤差が生じることがあります。
　　　　　　自動でスクロールバーが表示されます。

TextArea(String text)
　　　　　　textを初期の文字列としてテキストエリアを作成します。

TextArea(String text, int rows, int columns)
　　　　　　デフォルトのテキストをtextの、表示行数rows、表示桁数columns桁のテキストエリアを作成します。
　　　　　　表示桁数はプラットフォームによって左右されるため誤差が生じることがあります。
　　　　　　自動でスクロールバーが表示されます。

TextArea(String text, int rows, int columns, int scrollbars)
　　　　　　デフォルトのテキストをtextの、表示行数rows、表示桁数columns桁のテキストエリアを作成します。
　　　　　　表示桁数はプラットフォームによって左右されるため誤差が生じることがあります。
　　　　　　scrollbarsでスクロールバーの有無を選択します。
　　　　　　scrollbars = TextArea.SCROLLBARS_BOTH：水平、垂直のスクロールバーをつけます。
　　　　　　scrollbars = TextArea.SCROLLBARS_HORIZONTAL_ONLY：水平のスクロールバーをつけます。
　　　　　　scrollbars = TextArea.SCROLLBARS_VERTICAL_ONLY　：垂直のスクロールバーをつけます。
　　　　　　scrollbars = TextArea.SCROLLBARS_NONE：スクロールバーはつけません。

　　TextAreaクラスはTextComponentクラスのサブクラスになります。TextComponentのメソッドはこちらを参照してください。
　　以下にTextAreaのメソッドを紹介します。

メソッド

int getColumns()
　　　　このテキストエリアの桁数を返します。

int getRows()
　　　　このテキストエリアの行数を返します。文字列の行数ではありません。

void setColumns(int cols)
　　　　このテキストエリアの桁数をcolsに設定します。

void setRows(int rows)
　　　　このテキストエリアの行数をrowsに設定します。

int getScrollbarVisibility()
　　　　このテキストエリアのスクロールバーの表示状態を返します。値はコンストラクタの説明を参照してください。

void setScrollbarVisibility(int scroollbar)
　　　　このテキストエリアのスクロールバーの表示状態を設定します。値はコンストラクタの説明を参照してください。
void append(String text)
　　　　textを現在のテキストエリアの文字列の最後に追加します。

void insert(String text, int pos)
　　　　textを現在のテキストエリアのposの位置に挿入します。

　　また、TextListenerインターフェースについてはこちらでも紹介しましたが、下記のメソッドを実装する必要があります。

メソッド

void textValueChanged(TextEvent e)
　　　　テキストの値が変更されると呼び出されます。

　　以下、例を示します。テキストフィールドとテキストエリアを用意し、テキストフィールドに文字列を入れてリターンキーが押されたらテキストエリアに追加させる。ただし、後に入力されたものはテキストエリアの上から表示させるようにする。

import java.awt.*; import java.awt.event.*; public class Test18_21{ TextField textField; TextArea textArea; public Test18_21(){ /* フレームを作成します。*/ Container frm = new Frame(); frm.setSize(new Dimension(450,350)); /* レイアウトを設定します。*/ frm .setLayout(new BorderLayout()); /* コンポーネントを作ります。*/ textField = new TextField(25); textArea = new TextArea(25,10); /* リスナーを登録します。*/ textField.addActionListener(new TextFieldAction()); /* フレームに登録します。*/ frm.add(textField, BorderLayout.NORTH); frm.add(textArea , BorderLayout.CENTER); /* フレームを表示させます。*/ frm.setVisible(true); } /* TextFieldでリターンキーが押されたら次にフォーカスを与える */ class TextFieldAction implements ActionListener{ public void actionPerformed(ActionEvent e){ textArea.insert(textField.getText() + "\n" ,0); textField.setText(""); } } public static void main(String args[]){ new Test18_21(); } }
JavaAppletが有効だとここに上記のプログラム実施例が表示されます。

　　このテキストエリアはユーザーとのやりとりをするためのGUIとしてだけでなく、プログラマがデバッグするための情報を書き出す場所としても使う場合があります。つまり何かのイベントが発生した時や例外が発生した時に、プログラマーだけが見ることができるテキストエリアにその内容と発生時間を書き出し、これを後で参照すると言った具合です。ここでは詳細は省略しますが、そう言う使い方もあると言うことを覚えておいてください。

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