14章：有用なクラス

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19. BigDecimal

　　BigDecimalクラスはNumberクラスのサブクラスで、任意精度の数値（ほとんどの実数）が扱えるクラスです。

import java.math.BigDecimal

メンバー変数

static BigDecimal ROUND_UP
　　　　　　divideメソッドで用いられる丸め込みのモードの一種です。
　　　　　　0から離れるように丸めるモードで、すなわち絶対値が減りません。

static BigDecimal ROUND_DOWN
　　　　　　divideメソッドで用いられる丸め込みのモードの一種です。
　　　　　　0に近づくように丸めるモードで、すなわち絶対値が増えません。

static BigDecimal ROUND_CEILING
　　　　　　divideメソッドで用いられる丸め込みのモードの一種です。
　　　　　　正の無限大に近づくように丸め込むモードです。

static BigDecimal ROUND_FLOOR
　　　　　　divideメソッドで用いられる丸め込みのモードの一種です。
　　　　　　負の無限大に近づくように丸め込むモードです。

static BigDecimal ROUND_HALF_UP
　　　　　　divideメソッドで用いられる丸め込みのモードの一種です。
　　　　　　「もっとも近い数字」に丸めるモードです。ただし、両隣りの数字が等距離の場合は切り上げます。

static BigDecimal ROUND_HALF_DOWN
　　　　　　divideメソッドで用いられる丸め込みのモードの一種です。
　　　　　　「もっとも近い数字」に丸めるモードです。ただし、両隣りの数字が等距離の場合は切り捨てます。

static BigDecimal ROUND_HALF_EVEN
　　　　　　divideメソッドで用いられる丸め込みのモードの一種です。
　　　　　　「もっとも近い数字」に丸めるモードです。ただし、両隣りの数字が等距離の場合は偶数側に丸めます。

static BigDecimal ROUND_UNNECESSARY
　　　　　　divideメソッドで用いられる丸め込みのモードの一種です。
　　　　　　要求される演算の結果が正確であり、丸めが必要でないことを表す丸めモードです。この丸めモードが結果が正確でない演算で指定される場合は、ArithmeticException がスローされます。

コンストラクタ

BigDecimal(BigInteger val)
　　　　　　BigIntegerをBigDecimalに変換します。

BigDecimal(BigInteger val, int scale)
　　　　　　val / 10^scaleのBigDecimalを作ります。

BigDecimal(double val)
　　　　　　valをBigDecimalに変換します。

BigDecimal(String val)
　　　　　　"+150.32"、"-150.32"や"-1.0002e12"、"-1.0002E12"のように文字列表現をBigDecimalに変換します。
　　　　　　表現型が不正な場合はNumberFormatExceptionが投げられます。

メソッド

static BigDecimal valueOf(long val)
　　　　　　valをスケール０のBigDecimalに変換します。

static BigDecimal valueOf(long val)
　　　　　　(val / 10^scale)のBigDecimalに変換します。

BigDecimal add(BigDecimal val)
　　　　　　自分とvalの値を加えたBigDecimalを返します。

BigDecimal subtract(BigDecimal val)
　　　　　　自分からvalを引いたBigDecimalを返します。

BigDecimal negative()
　　　　　　-thisを返します。

BigDecimal multiply(BigDecimal val)
　　　　　　this * valを返します。

BigDecimal divide(BigDecimal val, int roundingMode)
　　　　　　this / valを返します。２番目の引数には丸め込みモードを指定します。
　　　　　　valが０の場合はArithmeticExceptionが投げられます。
　　　　　　丸め込みで例外が出た場合は、ArithmeticExceptionもしくはIllegalArgumentExceptionが投げられます。

BigDecimal divide(BigDecimal val, int scale, int roundingMode)
　　　　　　this / valを返します。
　　　　　　２番目の引数に答えのスケールを指定します。
　　　　　　３番目の引数には丸め込みモードを指定します。
　　　　　　valが０の場合はArithmeticExceptionが投げられます。
　　　　　　丸め込みで例外が出た場合は、ArithmeticExceptionもしくはIllegalArgumentExceptionが投げられます。

BigDecimal abs()
　　　　　　絶対値を返します。

BigDecimal movePointLeft(int n)
　　　　　　小数点をn桁左に移動します。nが負数の場合は右に移動します。
　　　　　　(this * 10^-n)と同じになります。

BigDecimal movePointRight(int n)
　　　　　　小数点をn桁右に移動します。nが負数の場合は左に移動します。
　　　　　　(this * 10ⁿ)と同じになります。

int scale()
　　　　　　スケール（小数点以下の桁数：実際の数値の桁数ではなく、精度を指します。）を返します。

BigDecimal setScale(int scale, int roundingMode)
　　　　　　スケール（（小数点以下の桁数：実際の数値の桁数ではなく、精度を指します。）を設定します。
　　　　　　丸め込みが必要な場合は、メンバー変数の丸め込みモードを指定します。
　　　　　　計算結果により、ArithmeticExceptionもしくはIllegalArgumentExceptionが投げられます。

BigDecimal setScale(int scale)
　　　　　　スケール（（小数点以下の桁数：実際の数値の桁数ではなく、精度を指します。）を設定します。
　　　　　　丸め込みが不要な場合はこちらを使う。
　　　　　　計算結果により、ArithmeticExceptionが投げられます。

boolean equals(Object o)
　　　　　　oがBigDecimalクラスで、thisと同じ値である場合にtrueが返されます。

int compareTo(BigDecimal val)
　　　　　　valと比較をし、this<valの場合は-1、this=valの場合は0、this>valの場合は+1が返されます。

BigDecimal max(BigDecimal val)
　　　　　　thisとvalの大きい方が返されます。

BigDecimal min(BigDecimal val)
　　　　　　thisとvalの小さい方が返されます。

double doubleValue()
　　　　　　double型に変換します。絶対値が大きくてdouble型に変換できない場合は、正の無限大Double.POSITIVE_INFINITYもしくは、負の無限大Double.NEGATIVE_INFINITYが返されます。

float floatValue()
　　　　　　float型に変換します。絶対値が大きくてfloat型に変換できない場合は、正の無限大Float.POSITIVE_INFINITYもしくは、負の無限大Float.NEGATIVE_INFINITYが返されます。

int intValue()
　　　　　　整数部をint型に変換します。絶対値が大きすぎる場合は下位32ビットのみが保存されます。

long longValue()
　　　　　　整数部をlong型に変換します。絶対値が大きすぎる場合は下位64ビットのみが保存されます。

BigInteger toBigInteger()
　　　　　　整数部をBigInteger型に変換します。

String toString()
　　　　　　このBigIntegerを10進数で文字列表現に変換します。

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