15章：入出力

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33. クラスの保存

　　クラスオブジェクトのデータをストリームから入出力できるようにすることをシリアライズ（直列化）と言います。基本的にクラスオブジェクトのシリアライズはそのクラス内のメンバー変数すべてを出力しますが、場合によってはそれだけでは足りない場合もあり、それらはすべてそのクラス内に定義しなくてはなりません。逆にストリームから入力するために、データを読み込んでメンバー変数を戻すメソッドも定義しなくてはなりません。（下記参照）

void writeObject(ObjectOutputStream out) throws IOException
void readObject(ObjectInputStream in) throws IOException, ClassNotFoundException;

　　当然ながらreadObjectで読み込む順番は、writeObjectで書き込む順番と型が同じでなければなりません。

　　また、Javaが標準で用意しているNumberクラスやVectorクラスは Serializableをインプリメントしているので、readObjectメソッド、writeObjectメソッドで入出力が可能です。その他のプリミティブ型、例えばchar型ならばreadCharメソッド、writeCharメソッドを使用します。

　　そして、シリアライズに対応していることを明示するために、Serializableインターフェースをインプリメントします。このようにしたクラスはそのオブジェクトをObjectOutputStreamで出力し、ObjectInputStreamで入力することができます。つまり、ディスク上に保存したり、別のスレッドに転送したり、ネットワークを経由して転送したりできるようになります。

import java.io.ObjectOutputStream

コンストラクタ

ObjectOutputStream(OutpusStream os) throws IOException

実際の出力先のストリームosを指定して、ObjectOutputStreamを作成します。
コンストラクタではosにヘッダを出力しますので、コンストラクタから戻ってきたら明示的にflushメソッドを呼び出す必要があります。
入出力がうまくいかない場合はIOExceptionが投げられます。
セキュリティ上不正の場合はSecurityExceptionが投げられます。

メソッド

void writeBoolean(boolean data) throws IOException



readBooleanによって読み込むためのboolean型を書き込みます。
入出力エラーのときにIOExceptionが投げられます。

void writeByte(byte data) throws IOException



readByteによって読み込まれるbyte型を書き込みます。
入出力エラーのときにIOExceptionが投げられます。

void writeShort(short data) throws IOException



readShortによって読み込まれるshort型を書き込みます。
入出力エラーのときにIOExceptionが投げられます。

void writeChar(char data) throws IOException



readCharによって読み込まれるchar型を書き込みます。
入出力エラーのときにIOExceptionが投げられます。

void writeInt(int data) throws IOException



readIntによって読み込まれるint型を書き込みます。
入出力エラーのときにIOExceptionが投げられます。

void writeLong(long data) throws IOException



readLongによって読み込まれるlong型を書き込みます。
入出力エラーのときにIOExceptionが投げられます。

void writeFloat(float data) throws IOException



readFloatによって読み込まれるfloat型を書き込みます。
入出力エラーのときにIOExceptionが投げられます。

void writeDouble(double data) throws IOException



readDoubleによって読み込まれるdouble型を書き込みます。
入出力エラーのときにIOExceptionが投げられます。

void writeUTF(String str) throws IOException



readUTFによって読み込まれる文字列を書き込みます。
入出力エラーのときにIOExceptionが投げられます。

void writeObject(Object obj) throws IOException



readObjectによって読み込まれる文字列を書き込みます。
指定するobjはSerializableインターフェースをインプリメントしている必要があります。これがインプリメントされていないとNotSerializableExceptionが投げられます。
objのシリアライズに問題があった場合にはInvalidClassExceptionが投げられます。
入出力エラーのときにIOExceptionが投げられます。

void write(int b) throws IOException



bの下位1バイト書き込みます。
入出力エラーのときにIOExceptionが投げられます。

void write(byte[] buf) throws IOException



データを書き込みます。
bufがnullの場合はNullPointerExceptionが返されます。
入出力エラーのときにIOExceptionが投げられます。

void write(byte[] buf, int off, int len) throws IOException



bufのoffバイト目からlenバイトのデータを書き込みます。
off, lenが負数の場合、off+lenが配列bufの大きさを超える場合にはIndexOutOfBoundsExceptionが返されます。
bがnullの場合はNullPointerExceptionが返されます。
入出力エラーのときにIOExceptionが投げられます。

void close() throws IOException



ストリームをクローズします。
入出力エラーのときにIOExceptionが投げられます。

void flush() throws IOException



この出力ストリームをフラッシュし、バッファに入っている出力バイトをすべて強制的に書き込みます。
入出力エラーのときにIOExceptionが投げられます。

コンストラクタ

ObjectInputStream(InpusStream is) throws IOException, SecurityException

実際の入力元ストリームisを指定して、ObjectInputStreamを作成します。
入出力がうまくいかない場合はIOExceptionが投げられます。
セキュリティ上不正の場合はSecurityExceptionが投げられます。

メソッド

boolean readBoolean() throws IOException



writeBooleanによって書き込まれたboolean型を読み込み、結果を戻り値に返します。
場合によってブロックされる場合があります。
ストリームの最後に到達していた時はEOFExceptionが投げられます。
入出力エラーのときにIOExceptionが投げられます。

byte readByte() throws IOException



writeByteによって書き込まれたbyte型を読み込み、結果を戻り値に返します。
場合によってブロックされる場合があります。
ストリームの最後に到達していた時はEOFExceptionが投げられます。
入出力エラーのときにIOExceptionが投げられます。

short readShort() throws IOException



writeShortによって書き込まれたshort型を読み込み、結果を戻り値に返します。
場合によってブロックされる場合があります。
最後まで読み込めずにストリームの最後に到達していた時はEOFExceptionが投げられます。
入出力エラーのときにIOExceptionが投げられます。

char readChar() throws IOException



writeCharによって書き込まれたchar型を読み込み、結果を戻り値に返します。
場合によってブロックされる場合があります。
最後まで読み込めずにストリームの最後に到達していた時はEOFExceptionが投げられます。
入出力エラーのときにIOExceptionが投げられます。

int readInt() throws IOException



writeIntによって書き込まれたint型を読み込み、結果を戻り値に返します。
場合によってブロックされる場合があります。
最後まで読み込めずにストリームの最後に到達していた時はEOFExceptionが投げられます。
入出力エラーのときにIOExceptionが投げられます。

long readLong() throws IOException



writeLongによって書き込まれたlong型を読み込み、結果を戻り値に返します。
場合によってブロックされる場合があります。
最後まで読み込めずにストリームの最後に到達していた時はEOFExceptionが投げられます。
入出力エラーのときにIOExceptionが投げられます。

float readFloat() throws IOException



writeFloatによって書き込まれたfloat型を読み込み、結果を戻り値に返します。
場合によってブロックされる場合があります。
最後まで読み込めずにストリームの最後に到達していた時はEOFExceptionが投げられます。
入出力エラーのときにIOExceptionが投げられます。

double readDouble() throws IOException



writeDoubleによって書き込まれたdouble型を読み込み、結果を戻り値に返します。
場合によってブロックされる場合があります。
最後まで読み込めずにストリームの最後に到達していた時はEOFExceptionが投げられます。
入出力エラーのときにIOExceptionが投げられます。

String readUTF() throws IOException



writeUTFによって書き込まれた文字列を読み込み、結果を戻り値に返します。
場合によってブロックされる場合があります。
最後まで読み込めずにストリームの最後に到達していた時はEOFExceptionが投げられます。
入出力エラーのときにIOExceptionが投げられます。

Object readObject() throws IOException, ClassNotFoundException



writeObjectによって書き込まれたクラスオブジェクトを読み込み、結果を戻り値に返します。
結果はそれ相応の型にキャストする必要があります。
場合によってブロックされる場合があります。
シリアライズされたオブジェクトのクラスが見つからなかった場合にClassNotFoundExceptionが投げられます。
シリアライズで使用されるクラスになんらかの不具合があった場合にInvalidClassExceptionが投げられます。
入出力エラーのときにIOExceptionが投げられます。
他に場合によって、StreamCorruptedException, OptionalDataException が投げられます。

int read() throws IOException



1バイト読み込み、戻り値として返します。
ストリームの最後に到達していた時は-1が返されます。
場合によってブロックされる場合があります。
入出力エラーのときにIOExceptionが投げられます。

int read(byte[] buf) throws IOException



データを読み込み、読み込めたバイト数を戻り値に返します。
読み込む最大バイト数は配列bufの大きさですが、必ずしも配列の大きさ分読み込まれる保証はありません。
ストリームの最後に到達していた時は-1が返されます。
場合によってブロックされる場合があります。
bufがnullの場合はNullPointerExceptionが返されます。
入出力エラーのときにIOExceptionが投げられます。

int read(byte[] buf, int off, int len) throws IOException



lenバイトデータを読み込み、buf[off]から後に格納し、読み込めたバイト数を戻り値に返します。
lenバイトの読み込みを試みますが、必ずしもそのバイト数読み込まれる保証はありません。
ストリームの最後に到達していた時は-1が返されます。
場合によってブロックされる場合があります。
off, lenが負数の場合、off+lenが配列bufの大きさを超える場合にはIndexOutOfBoundsExceptionが返されます。
bがnullの場合はNullPointerExceptionが返されます。
入出力エラーのときにIOExceptionが投げられます。

void close() throws IOException



ストリームをクローズしますが、このクラスのcloseメソッドは実質的に何もしません。
入出力エラーのときにIOExceptionが投げられます。

long skip(long n) throws IOException



nバイト分のデータを読み込み、読み込み結果は破棄します。実際にスキップしたバイト数が戻り値に返されます。
入出力エラーのときにIOExceptionが投げられます。

void mark(int n)



resetメソッドに備え、現在位置(C言語で言うファイルポインタ)を保持します。

void reset() throws IOException



markした位置まで現在位置(C言語で言うファイルポインタ)を戻します。

boolean markSupported()



このクラスではmarkメソッドをサポートしているため、trueが返されます。

int available() throws IOException



このストリームがブロックされることなく、読み込めるバイト数を返します。

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