あなたは 人目のC++(C)言語入門受講生です。

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0. はじめに

1. オブジェクト指向とは？
　　　1. オブジェクト指向とクラス
　　　2. 継承
　　　3. カプセル化
　　　4. ポリモーフィズム

2. ストリーム
　　　1. 出力
　　　2. マニピュレータ
　　　3. 入力
　　　4. ファイル
　　　5. 練習問題1
　　　6. 文字列
　　　7. 練習問題2

3. C++の新しい文法
　　　1. 新しい型bool
　　　2. デフォルト引数
　　　3. newとdelete
　　　4. 参照型
　　　5. const
　　　6. 変数の宣言
　　　7. 例外
　　　8. オーバーロード
　　　9. テンプレート関数
　　　10. 名前空間

4. クラス
　　　1. クラスとは
　　　2. クラスの宣言
　　　3. クラスの実装
　　　4. コンストラクタとデストラクタ
　　　5. クラスの使用法
　　　6. 例題）スタッククラス
　　　7. テンプレートクラス
　　　8. 練習問題
　　　9. 参照型
　　　10. 代入演算子
　　　11. コピーコンストラクタ
　　　12. 構造体
　　　13. メンバー変数の初期化
　　　14. 内部クラス
　　　15. 無名クラス
　　　16. 無名共用体
　　　17. 演算子の作り方
　　　18. friend
　　　19. 練習問題
　　　20. クラス変数(静的変数)
　　　21. 静的関数
　　　22. クラスと関数ポインタ

5. クラスの包含
　　　1. 包含とは
　　　2. クラスの作成・破壊
　　　3. メンバーイニシャライザ
　　　4. ポインタによる包含
　　　5. 参照による包含
　　　6. 練習問題

6. 継承
　　　1. 継承とは
　　　2. スーパークラスのコンストラクタ
　　　3. 継承とキャスト
　　　4. スコープ
　　　5. クラスの作成・破壊
　　　6. 派生の種類
　　　7. 仮装関数
　　　8. 純粋仮装関数
　　　9. 仮装デストラクタ
　　　10. 例題）例外クラス
　　　11. V-table(VF-table)
　　　12. 例題）お絵かきソフト
　　　13. 継承と包含
　　　14. 多重継承
　　　15. 多重継承の用途
　　　16. 仮想クラス
　　　17. 実行時型情報(RTTI)
　　　18. dynamic_cast

7. STL
　　　1. STLとは
　　　2. STLの歴史
　　　3. STLの構成
　　　4. コンテナ
　　　5. vector
　　　6. イタレーター
　　　7. クラスとSTL
　　　8. list
　　　9. queue
　　　10. deque
　　　11. priority_queue
　　　12. stack
　　　13. map
　　　14. mutimap
　　　15. set
　　　16. multiset
　　　17. bitset
　　　18. アルゴリズム
　　　19. basic_string
　　　20. コンテナを作ろう
　　　21. アルゴリズムを作ろう
　　　22. 配列とアルゴリズム

8. その他
　　　1. 変数名について

9. その後は
　　　1. ヒューマンアカデミー C言語講座
　　　2. el school C言語講座

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3. 継承とキャスト

　　よくわからないまま、SortableVectorクラスを作ってしまった感じがあると思います。 SortableVectorクラスは、Vectorクラスに「sort」関数を追加しただけなので、それほど 知識は必要としません。しかし、継承の恩恵もあまりありません。ここから先は、 継承の本質に迫ります。

// 親クラス class Base{ public: void member_func_base(); }; // 子クラス class Deriv : public Base{ public: void member_func_deriv(); }; // グローバル関数 void global_func_Base( Base b ); void global_func_pBase( Base* p ); void global_func_rBase( Base& r ); void main(){ Base base; Base* pBase; Deriv deriv; Deriv* pDeriv; // 子クラスのポインタは親クラスのポインタへキャスト可能 // ( Deriv* → Base* への変換可能) pBase = &deriv; // 親クラスのポインタは子クラスのポインタへキャストはダメ!! // ( Base* → *Deriv への変換はダメ) : コンパイルエラー pDeriv = &base; // 親クラスのポインタは子クラスのポインタへキャストは明示的にキャストすればOK // ( Base* → *Deriv への変換は明示的にキャストすればOK) // でも危険、する必要も普通はない pDeriv = (Deriv*)&base; // 当然OK global_func_Base( base ); // 子クラスのインスタンスは親クラスへ変換可能 // ( Deriv → Base への変換可能) global_func_Base( deriv ); // 当然OK global_func_pBase( pBase ); // 子クラスのポインタは親クラスのポインタへキャスト可能 // ( Deriv* → Base* への変換可能) global_func_pBase( pDeriv ); // 当然OK global_func_rBase( base ); // 子クラスの参照は親クラスへ変換可能 // ( Deriv& → Base& への変換可能) global_func_rBase( deriv ); // 下の４つは当然大丈夫 base .member_fubc_base(); deriv.member_func_deriv(); pBase ->member_func_base(); pDeriv->member_func_deriv(); // DerivクラスはBaseの性質(メンバー変数、メンバー関数)を // 引き継いでいるので下の２つは当然大丈夫 deriv.member_func_base(); pDeriv->member_func_base(); // BaseクラスはDerivの性質(メンバー変数、メンバー関数)を // 引き継いでいないので下の２つは当然ダメ base.member_func_deriv(); pBase->member_func_deriv(); }

　　長くなっちゃいましたね。見るのもイヤって感じですね。

　　つまり、まとめると親クラスは子クラスのように振る舞えないが、子クラスは親クラス のように振る舞うことができるということになります。

　　私は「継承のことを進化する」と教えていると書きましたが、上のことを言い換えると 人間は犬の真似ができるが、犬は人間の真似ができないということになります。 (このたとえはマジでわかりやすいと思うんですが、いかがですか？)

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