ベクターとは、配列のことです。リストでは個々の要素はメモリー上で連続しておらず、
次の要素のポインターを保持することで、次の要素を見つけることができました。
ベクターは配列と同じですので、個々の要素は常に隣り合わせで、ベクターは連続した
メモリー上に保持されています。
したがってベクターは、連続した順次アクセスや、ランダムアクセス(○番目のデータを
取得するなど)はリストよりも速く行うことができます。
しかし、要素数を増やそうとした場合、全部の要素数分のメモリーを再割り当てし、
すべてをコピーしなければなりません(下図)。
また並び替えを行おうとした場合、リストでは
ポインターのつなぎ換えだけで済んだのに対して、ベクターでは物理的にコピーしなければ
ならないので、リストより効率が悪くなります。
したがってベクターは要素数が決まっており、ランダムアクセスを行うデータ
に向いています。逆に要素数が頻繁に加減するデータはリストを使うべきです。