メモリー管理

2-1.環境変数

　　MS-DOSのコマンドプロンプトから「SET」と入力すると、下記のような文字が表示される。


　A:\WINDOWS>set
　PROMPT=$p$g
　winbootdir=C:\WINDOWS
　COMSPEC=C:\WINDOWS\COMMAND.COM
　TMP=D:\TEMP\
　TEMP=D:\TEMP\
　PATH=C:\WINDOWS;C:\WINDOWS\COMMAND;C:\JDK1.2\BIN　　　　　
　windir=C:\WINDOWS
　CMDLINE=javac Test.java

　A:\WINDOWS>

　　これを環境変数といい、プログラムやOSがこの領域を参照して使用する。使い方によって、自分の使いやすい環境を整えることができる。環境変数自体の説明は省略するので、MS-DOSのマニュアルなどを参照してほしい。

　　上でも書いたように、この環境変数領域はプログラムが参照できる。その参照の方法を説明する。

　　まずプログラムが実行されると、PSPと呼ばれる100hバイトの領域がとられる。 COMファイルではCS(=DS=ES=SS)セグメントの0000h番地から始まる。EXEファイルは ESセグメントの0000h番地から始まる。また、システムコールのAH=62hを用いて PSPのセグメントを調べることもできる。

PSPアドレスの取得 AH = 62h INT 21h 戻り値： BX ：現在実行しているプログラムのPSPのセグメントアドレス
例) mov ah,62 int 21h mov es,bx ; <= ES:0000 : PSP領域

　　このPSPの002Ch番地には環境変数領域のセグメントが格納されている。したがって、 ESにPSPのセグメントが格納されている場合に、環境変数領域のセグメントをDSに設定するには下記のようにする。

例）

	mov	ds,[es:2ch]	; <= DS:0000 : 環境変数領域

　　この環境領域には、上の例を見ると下記のように、１行が00hで区切られている文字列となっている。このように00h(NULL)で区切られているような文字列をASCIIZと呼ぶ。

例）

       | 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 0A 0B 0C 0D 0E 0F |
-------+-------------------------------------------------+-----+----+----+--
000000 | 50 52 4F 4D 50 54 3D 24-70 24 67 00 77 69 6E 62 |  PROMPT=$p$g winb
000010 | 6F 6F 74 64 69 72 3D 43-3A 5C 57 49 4E 44 4F 57 |  ootdir=C:\WINDOW
000020 | 53 00 43 4F 4D 53 50 45-43 3D 43 3A 5C 57 49 4E |  S COMSPEC=C:\WIN
000030 | 44 4F 57 53 5C 43 4F 4D-4D 41 4E 44 2E 43 4F 4D |  DOWS\COMMAND.COM
000040 | 00 54 4D 50 3D 44 3A 5C-54 45 4D 50 5C 00 54 45 |   TMP=D:\TEMP\ TE
000050 | 4D 50 3D 44 3A 5C 54 45-4D 50 5C 00 50 41 54 48 |  =C:\WINDOWS;C:\W
000070 | 49 4E 44 4F 57 53 5C 43-4F 4D 4D 41 4E 44 3B 43 |  INDOWS\COMMAND;C
000080 | 3A 5C 4A 44 4B 31 2E 32-5C 42 49 4E 00 77 69 6E |  :\JDK1.2\BIN win
000090 | 64 69 72 3D 43 3A 5C 57-49 4E 44 4F 57 53 00 43 |  dir=C:\WINDOWS C
0000A0 | 4D 44 4C 49 4E 45 3D 6A-61 76 61 63 20 54 65 73 |  MDLINE=javac Tes
0000B0 | 74 2E 6A 61 76 61 00 00-01 00 41 3A 5C 54 45 53 |  t.java  . A:\TES
0000C0 | 54 2E 43 4F 4D 00                               |  T.COM.

　　そして、下線の「00 00 01 00」を区切りとして、それ以前が環境変数が格納され、それ以降の１行に現在実行されているプログラム名がASCIIZで格納されている。

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