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甘味料


  動物は人間に限らず甘いものを好むようである。アリが甘いものに集るのや、 熊がハチミツを好むことは誰でも知っていることであります。石器時代に描かれた壁画に、 人がハチに囲まれながらも蜜蜂の巣から蜜を取っている様子も描かれているそうである。 また、赤ん坊、さらには胎児も甘いものを好むという研究報告もあるそうだ。

  ところで、最近では、甘味料としてのお砂糖は、悪者になりつつあります、 特に女性には。また、女性に限らず糖尿病の患者からも悪者扱いされています。 そこで、お砂糖以外(低カロリー)で甘いものを探す研究もされている。 ちょっと前まではアスパルテーム(お砂糖の親戚ではなく、アミノ酸の親戚)が ほとんどであった。

  このアスパルテームは砂糖の200倍の甘さを有し、砂糖に似た自然な甘さで、 虫歯の原因とならない。このアスパルテームはコカコー○ライトなどに含まれて いるばかりでなく、喫茶店のような飲食店にもダイエット甘味料として置かれており、 身近な甘味料である。しかしその安全性は疑問視されている。「薬を監視する国民運動の会」 の高橋氏は「厚生省が実験データを不当に解釈し、毒性があるのに無いと判断した。」と 訴えている。「1g/kg(体重1kgに対してアスパルテーム1g摂取した場合、体重60kgの人なら60g)で、 体重の減少、血中カルシウムの濃度低下、ウサギ胎児の骨格異常、2g/kgで、ビーグル犬の白内障の 可能性、白血球の減少」などの異常が起こると同氏は主張している。

  さらに、最近では精子障害を及ぼす可能性があることがわかった。詳しくは こちら

  では、最近巷で流行っているキシリトールはどうだろうか?  キシリトールはお砂糖の親戚で、キシロースと言う糖が還元された糖アルコールである。 このキシリトールは、ほぼお砂糖と同じくらいの甘さを示す。キシリトールは天然にも 存在するが、その量は少なく、工業的にはパルプの製造工程で出る廃液に20〜30%含まれている キシランという多糖類を加水分解して作られる。また、このキシリトールを経口的に 摂取した場合、腸からの吸収が非常に遅いため、場合によっては下痢を起こす場合がある。 しかし、これは、「慣れ」であり、多く摂取する食習慣のある人は、下痢を起こさない。 糖尿病患者にとってはどうだろうか? 砂糖と違い、多く摂取しても尿中の糖は増加しない。 しかし、あまり多く取ると尿中の酒石酸塩の濃度が上がる。すなわち、尿路結石が出来やすく なると言うことである。

  最近、「本当にキシリトールは虫歯を抑制するのか?」という質問をいただいた。 私個人の考えでは、結論から言えば「ない」と思う。しかし実際に、食後キシリトール入りの ガムを噛んだ子供とガムを噛まない子供を比較した実験から、キシリトール入りガムを 噛んだ子供の方が虫歯が少ないという結果が出ている。では、なぜ私が抑制効果がない と思うかというと、「この実験の結果=虫歯の抑制」という式が成り立つとは思えない からである。食後にガムを噛むことは、食べ残りを洗う効果もあるし、ましてや酸化されて 酸の出ないキシリトールを甘味料に使ったガムならば、ガムを噛み終わった後には酸が残る 心配もない。言うなれば歯を磨いたのと同じような効果があるはずである。私の調べた限り、 「食後にキシリトール入りガムを噛んだグループと、他の(酸の出る心配のない) 甘味料(例えばエリスリトールなど)を使用しているガムを噛んだグループもしくは 歯磨きをしたグループの比較」をしている実験はなかった。この実験結果から、 キシリトールの方が虫歯の発生率が低いという結果が得られれば、私もキシリトールの 虫歯抑制の効果を認めたい。専門家(歯医者)もやはり「キシリトールの虫歯抑制効果」 を疑問視している人も多いようで、虫歯の抑制には、頻繁に正しく歯を磨くことが一番良い のではないだろうか?

  ちなみに、和光純薬では25g1,300円。


  ・キシリトールの分子軌道計算後の絵はここ(81kbytes)ここ(53Kbytes)
  ・Yahooでキシリトール検索


  このような糖アルコールで、最近注目を浴びているのに、エリスリトールがある。 摂取したエリスリトールの90%以上は尿と一緒に排出される。このため、 エネルギー価は0.0kcal/g(キシリトールは3kcal/g)であり、現在、糖質では唯一の カロリー0の甘味料である。しかし、その甘さは砂糖の7割程度と少し低い。また、 口の中で酸化されにくいため、虫歯の原因にはならない。しかし、キシリトールと 同様に多量に摂取すると下痢を引き起こすことがある。また、キシリトールも エリスリトールも融解する際に熱を吸収する。(キシリトールの融解熱=-34.8cal/g、 エリスリトールの融解熱=-42.9cal/g、砂糖の融解熱=-4.5cal/g)そのため、 グミやキャンディーに使用した場合、口に入れたときに清涼感が得られる。

  ちなみに、東京化成では25g5,000円。

  エリスリトールの分子軌道計算後の絵はここ(83kbytes)ここ(76Kbytes)



  では、食品に表示されている「ノンシュガー」や「低カロリー」とはどういうことを 指すのでしょう?「シュガーレス」「ノンシュガー」「無糖」「ノンカロリー」 「カロリーゼロ」というのは、糖類0.5g以下、熱量5kcal以下のことを言います。 また、「微糖」「低糖」「糖分控えめ」「低カロリー」「カロリー控えめ」 「カロリーカット」などは、糖類5g(2.5g)、熱量40(20)kcal以下のことを言います。 (括弧内は飲料用) ここで、「糖類」「シュガー」というのは、単糖、二糖を言い、 オリゴ糖を甘味料として使用している場合も「ノンシュガー」と表示して良いことに なっています。しかし、オリゴ糖も虫歯の原因となり得ますので、「ノンシュガー」 だからといって「虫歯にならない」ということにはなりません。

  みなさんも、食料品の甘味料の種類を見る癖を付けてみてはいかがでしょうか?



アサ○飲料、Ea○+を回収

 eau+  アサ○飲料株式会社が自社のノンシュガーコンディショニングウォーター 「Ea○+」に対して7月に回収作業を行っていた。理由は甘味料のエリスリトールが 原因で下痢を起こしたという苦情が数十件あったからとのこと。上でも書きましたように エリスリトールは摂取しすぎると下痢になります。 体重60kgの健康な人が1日に40g以上摂取すると下痢を起こすというのが 目安になっています。このEa○+は1Lあたり38gのエリスリトールが入っています。 女性の場合(体重が60kg以下の人)1Lも飲めば健康な人でもエリスリトールが原因で 下痢になる可能性がある計算になります。
新しいもの以前のもの
eau+:原材料
eau+:原材料
現在は、エリスリトールをやめ、左のように果汁(洋なし)と甘味料 (アスパルテーム)を使用しているようです。
eau+:果汁
eau+:果汁
そのおかげで、果汁が1%から3%に増えました。
eau+:成分
eau+:成分
また、エリスリトール(糖質)を抜いたおかげで「糖質」が4.4gから0.7gに減りました。 でも、エネルギーは0kcalです。これは果汁2%くらいだと1Kcalも達しないと言うことでしょう。 あとビタミンCが206mgと1mgも変わらないのは納得いきませんが・・・。



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