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DNAを見てみよう




  20世紀はの最大級の発見の一つに「DNAの発見」があります。DNAは生物の設計図で、 ウイルスから私たち人間にまで存在します(もちろん大きさなどは異なりますが)。 DNAは生物の設計図であるために、DNAを調べれば「お酒に強い人」とか「太りやすい体質」とか 「ガンになりやすい体質」といった体質がわかってしまいます。また設計図が入手できれば 同じ物を作ることもできます。それがドリーのようなクローンです。21世紀はDNAを 解析し、人それぞれにあった治療や、医薬品の開発などが主流になってくるでしょう。

  まぁ、DNAについてはいっぱいホームページもありますし、本もいっぱいあるので ここではDNAについての詳細は省略します。

  ところでみなさんはDNAを見たことがありますか?「Newton」や「日系サイエンス」 なんて雑誌を開けば、カラーのきれいな「二重らせん」のDNAの絵が載っていますね。 最近ではテレビにも頻繁に出ますので、見たことのある人も多いのではないでしょうか? このページにもきれいなDNAの絵を載せたいんですが、著作権の問題から 載せることができません。自分では書けないし・・・。

  人間のDNAを伸ばすと、直径2nm(2cmの10,000,000分の1)、長さは2mの長いひものような 状態になります。これがきれいに折り畳まれて細胞1つ1つの中にしまわれています。 したがって実際はそう簡単に見られる物ではありません。このページではそんなDNAを 実際に見てみようと言うページです。

用意するもの 器具は東急ハンズで揃います。
1. 抽出液を作る
抽出液   抽出液とは勝手に私が付けた名前で、簡単に言えば食塩水です。濃度は1〜2%以下の 濃度にします。つまり、1〜2gの食塩を水に溶かして100gの食塩水を作ります。 (適当で構いませんが、濃すぎるとダメです。)

  これに中性洗剤をほんのちょっと垂らします。洗剤はどのメーカーのどの製品が 良いかはわかりません。また入れなくても構いませんが、DNAが出にくくなるようです。

  これで抽出液の完成です。

2. ブロッコリーをつぶす
ブロッコリー   ブロッコリーは八百屋さんやスーパーで買ってきたものです。普通食用に買うときは 「房と房に隙間がないもので、堅いもの」が良いらしいのですが、今回の場合は、柔らかい ものの方が楽なようです。

ブロッコリーをつぶす   この買ったきたブロッコリーを洗い、まず葉っぱのところだけをちぎります。 大きさは500円玉強くらいです。この小片2つくらいを乳鉢と乳棒でつぶします。 (すりこぎを使う場合は、もっと量が多い方がいいでしょう。ただし、茎の部分は 入れないようにします。)

  つぶし方のこつとしては、まず最初はたたいてつぶします。ある程度つぶれたら すりつぶします。乳鉢(すり鉢)の下に雑巾を置いておきましょう。

抽出液を加える   ある程度つぶれたら、先ほど作った抽出液を加えてすりつぶします。加える抽出液の 量は、目安として5mLくらいです。ブロッコリーの量に比例して加減してください。

つぶすのは終了   見にくいですが写真のようになったら終わりです。傾けると下の方に少し水分が たまっているくらいです。

3. 濾過する
つぶすのは終了   これを濾過します。結構時間がかかりますので、その間に休憩しましょう。 液の部分だけを先に漏斗に入れて、それが濾過されてきたら残渣を入れると 少しはましになります。
  注意として、コーヒー用の紙は使用しないでください。濾紙に比べて目が粗い(穴が大きい) ので、カスが下に漏れます。

漏斗がない場合   漏斗と濾紙がない場合は、脱脂綿を少しちぎって堅く丸め、これを乳鉢に入れます。 この脱脂綿にスポイトを強く押しつけながら吸い込みます。これを別の容器に移します。

4.いよいよDNAとご対面
  濾液に濾液と同量のエタノールをスポイトで少しずつ加えます。エタノールと水は 混ざりにくいので、ゆっくりエタノールを加えると、水とエタノールの境目が見えます。 その境目のところに白い綿ぼこりのような物が見えます。これがブロッコリーのDNAです。

  もし見えない場合は、エタノールをもう少し加えてみてください。エタノールを 加えすぎると、食塩が出てきますので注意が必要です。食塩の場合は容器を振ると 雪が舞っているような感じになります。DNAの場合は綿ぼこりが舞っている感じになります。

  もし出ない場合は、抽出液の量や、抽出液の食塩の濃度、中性洗剤の種類や濃度を 変えてみてください。

5.洗浄と保管
これがDNAだ!   この溶液には、タンパク質や食物繊維など多くの不純物が含まれています。そこで DNAを洗浄します。エタノール:水=9:1の溶液を作ります。

  DNAを細い棒のようなものに引っかけて取り出し、先ほど作った溶液をスポイトで かけて洗います。

  洗い終わったら、エタノールの中に入れて保管します。DNAは水の中よりもエタノール の中の方が安定だからです。エタノール中に保管すれば数年は壊れずにいると思います。 冷蔵庫に保管すればもっと長持ちすると思います。

6.まとめ
  なぜエタノールを入れるとDNAが出てくるのでしょうか?DNAは水にとても溶けやすいのですが、 エタノールのようなアルコールや有機溶媒にはとけにくいと言う性質を持ちます。したがって エタノールを加えると、DNAが出てくるのです。

  また食塩も同じような性質を持ちます。したがってエタノールを入れすぎると 食塩も出てきてしまうのです。また抽出液が多すぎたり、食塩の濃度が濃すぎても DNAよりも先に食塩が先に出てきてしまいます。

注意
  • 食べないでください。 DNA自体は無害ですが、 薬品を使用しているので、決して口に入れないでください
  • 終わったら手を洗いましょう
  • 火気厳禁 エタノールは引火しやすいです。風通しの良いところで 実験し、近くでは火を使わないようにしましょう
  • 怪我しないように。 すりつぶすときなど怪我しないように 気をつけましょう


スポイトの作り方

スポイトの作り方   右図のようにストローに小さなビニール袋をかぶせ、輪ゴムかテープなどで固定します。 この時に空気がそこから入らないようにするのがポイントです。場合によっては、 ビニールとストローをサランラップのようなものでさらに巻いて、空気が入らないようにします。

  使い方は、ビニール袋を口に入れて吸うだけです。

  口にビニール袋を入れるので、ビニール袋はきれいな物を使ってください。 また、穴があいていると吸った物が口に入りますので、穴があいていないことを 確認してから使用することと、穴があかないように注意して使用してください。

  もし穴があいたりして、口の中に入ってしまった場合は、すぐに吐き出して うがいをしましょう。場合によっては中性洗剤が口に入った場合は、中性洗剤のメーカーに 問い合わせたり、病院に行って処置をしてください。応急処置としては、うがいの後、 水を飲み、吐き出すことです。

  事故があっても、私は一切の責任を負いませんのであしからず。


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