明るいところでは、「円錐細胞」、暗いところでは「棒状細胞」の働きによって、モノを見ることが できます。暗いところで活躍する「棒状細胞」内では、ビタミンA(レチネン)とオプシンと呼ばれるタンパ ク質が結合し、ロドプシンとなります。このロドプシンが光を受け取ると、「受け取ったよ」という信号 を神経に伝えます。そしてロドプシンは、ビタミンAとオプシンに戻ります。しかしこの際に、分解してし まうビタミンAやオプシンがあるために、それらはどんどん減ってしまいます。このため、ビタミンAが不 足すると、暗いところで見にくくなります。なお、ビタミンAだけ補給すればよいかというと、そういうわ けでもありません。ロドプシンを合成するためには、ビタミンB類も必要です。 さらにビタミンAが不足すると、コンドロイチン硫酸という物質が作れなくなります。このコンドロイ チン硫酸とは、粘膜、粘液の成分です。粘膜、粘液は菌などの攻撃から身を守る働きがあります。したが って外菌に対して抵抗力がなくなり、風邪などひきやすくなります。さらに、酸性を示すコンドロイチン 硫酸がなくなると、腎臓、膀胱、尿路などがアルカリ性になりやすく、結石ができやすくなります。 そのほかビタミンA不足になると、ストレス増加につながる、ガンになりやすくなるといった報告も あります。また、骨などの発育が阻害されたりします。 これを喰え!! 一日に必要なビタミンAは2000〜2500IUと言われています。下記にビタミンAを多く含む食品の例を挙 げますが、下記の表は(100g中の含有量)であり、2000〜2500IUというのは必要量です。ここで 注意してほしいのは、食べたもの100%が摂取されるわけではありません。ビタミンAの場合は、食べたう ちの多くて30%が摂取量です。すなわち下表のうち「にんじん」を100g食べると、食べた量は4600IUでも 摂取量はよくても1300IUくらいです。動物の肝油、卵黄、バターに多く含まれ、にんじん、カボチャなどに含まれるカロテンが体内で、 ビタミンAに変化する。(上表はカロテンがビタミンAに変化することも計算に入れてあるらしい) なお、ビタミンAはとりすぎても良くないので、サプリメントを購入する場合はビタミンAではなく、 ビタミンAの原料となるβカロテンが良いようです。
動物性食品 含有量(IU) 植物性食品 含有量(IU) 鶏、レバー 47000 抹茶 16000 豚、レバー 43000 岩のり(干) 12000 牛、レバー 40000 唐辛子実(干) 11000 ウナギ肝 15000 わかめ(干) 4800 ホタルイカ(ゆでたもの) 5000 にんじん 4600